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神戸百景とは
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神戸百景
ー 親子版画家 川西 英・祐三郎の軌跡 ー
川西 英は、1894年、兵庫県神戸市兵庫区東出町に回船・穀物問屋の七男として生まれました。当時は栄えた商家だったと伝え聞いております。西洋美術の影響を受けながらも独学で独自の版画作風を確立し、郵便局長を務めながら神戸を代表する版画家となりました。
代表作の1つ『神戸百景』は、戦前と戦後でそれぞれ100作品の連作として手がけ、戦前は、1933~36(昭和8~11)年に制作した木版画の『神戸百景』を発表。当時のみなと街神戸のハイカラ文化を色濃く切り取った作品群は高い評価を得ることとなり、その後の戦後版『新・神戸百景』の制作へと繋がりました。
そして戦後、急速に発展し、変わりゆく神戸の風景を描いた『新・神戸百景』は、1952~53(昭和27~28)年に制作、これは英の体力を鑑みて、版画ではなく描画作品となっています。それほどまでに版画制作は体力気力を必要とするものでした。
一部描き直しを経て、画集『神戸百景』として1962(昭和37)年に発行されましたが、1,500部の限定だったこともあり、この画文集を実際に持っていたり、また、見たことのある人は案外少ないかもしれません。当時の最新印刷技術を用いて和紙に刷られた作品は一点一点台紙に貼りつけられていて、一景ごとに小磯良平、竹中 郁、辻 久子など、今みてもそうそうたる顔ぶれの著名人100人の随想が寄せられおり、この上なくぜいたくな本となっています。
また川西 英の三男、祐三郎も父親に師事し版画家となりました。父と同じく会社員として務めながらの作家生活でした。父の作品に似ていると言われることに悩みながらも、自身の作風確立を模索しつづけ、代表作のヨーロッパシリーズが生まれました。その後兵庫県文化賞、神戸市文化賞受賞など数多くの賞を受賞しています。
親子2代で神戸を愛し、神戸の風景を表現する作家となった英と祐三郎。2014年に祐三郎も亡くなり、神戸にそんな親子版画家が居たこと、魂をこめて刷り上げた素晴らしい作品の数々を、忘れて欲しくないと思うようになりました。
そこで私どもは、家族でもあり先人の川西英・祐三郎の版画絵で社会のお役に立てるのではないかと一念発起し、神戸の百の魅力を発信・企画する「神戸百景」サイトを立ち上げました。
街の色と文化の継承、人が持つ表現力と可能性を祈念しこの活動を通し社会貢献して参ります。
今後も川西の作品をご愛顧いただくと共に末長いお付き合いの程宜しくお願い致します。
神戸百景 代表 川西 和代
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神戸百景
〒650-0035
兵庫県神戸市中央区浪花町
Kip内
※「神戸百景」は登録商標です